誰がために鳥は鳴く・3
園の二階、左右に分かれた部屋の一番手前
園に入って来たばかりで慣れていない子が
生活する部屋に桐子ちゃんはいるようだ
透明「ここだな」
恵那「どうして桐子ちゃん」
透明「うわっびっくりした」
ドアノブに手をかけた時、中から恵那の大きな声が
聞こえてくる・・・。
透明「入るぞ~っガチャッ」
恵那ちゃんが凄い形相でこちらを睨む
透明「ギョッ」
恵那「先生遅いよフンッ」
ドスドスと足音高らかに部屋を出てゆく恵那ちゃん・・・
おっかねぇ~~~っ
私は、部屋に残された子供を見つけ、両手を開き首を傾げて
見せた
透明「おねぇちゃん、怖かったね~
でも、あのおねぇ~ちゃんも、桐子ちゃんのこと
心配し過ぎてあんな言葉になっちゃったんだと
思うから、許してあげてね」
桐子「・・・・・・。」
透明「・・・・・・。」
あれっ無反応
さっきから、一点しか見てない・・・。
私は、桐子ちゃんの見ているところを確認する・・・。
・・・・・壁・・・だよねぇ~
他に、変わったとことは・・・・ないよねぇ~
はて
透明「あっそうそう自己紹介がまだだったね
私は、透明と言います
この園では、たまに来る変な人だけど、
覚えておいてね」
桐子「・・・・・。」
透明「・・・・・」
え~っと・・・まだ、壁見てるけど・・・
加瀬「桐子ちゃん、ちょっとごめんね
透明さん、良いかしら」
透明「あっはい桐子ちゃん、また後でね」
私は、加瀬さんに呼ばれ部屋の外へ・・・。
加瀬「透明さん、何か感じた」
透明「う~ん・・・園に入園したての子って、
言葉を話さないことは多々ありますけど、
あの子の場合、ちょっと違うような気が・・・。」
加瀬「やっぱり・・・。」
透明「桐子ちゃんは、入園してからずっとあんな感じ
なんですか」
加瀬「そうなの・・・食事は持って行けば食べてくれる
のだけど、それ以外は全てダメで、もうすぐ
一か月になるのに、あの子の声を聞いた人が
いないのよ・・・。」
透明「そ、そうなんですか
もしかして、耳が聞こえないとか」
加瀬「私も、心配でお医者さんに診てもらったのだけど、
特に異常は無いみたいなの」
透明「そうですか・・・ということは、心の問題か・・・。」
加瀬「そのことで、透明さんに少し話しておこうと
思って・・・。」
透明「」
加瀬「あの子の過去のこと・・・。」
次回、桐子ちゃんの過去が明らかに・・・。
続く・・・。
昴と透明先生のお店
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コメント
透明先生{ハート}こんにちは~{YES}
桐子ちゃんに、どんな過去があったのかなぁ{はてな}
最近、子供の虐待のニュースで胸が締め付けられるような
画像をテレビで見ました{涙}{涙}{涙}
知り合いに、まだ幼い子を残して癌で亡くなった方の
話しを聞いたり(黄昏の刻以来、癌で亡くなる人が多い事{超びっくり})
子供たちが対象となる可哀想な出来事が多い気がします。
今回のバスの事故も多くの犠牲者は若い人たちでしたね{グズン}
桐子ちゃんはいくつなのか分かりませんが
幼い子が口をきかなくなるとしたら、
尚の事、とても深い傷を負っているのでしょうね{グズン}
鑑定75の淳和君のお話を思い出して読み返して{涙}{涙}
先生に心開いて園で恵那ちゃんたちと健やかに{キラピンク}
過ごせる展開になる事を願ってます{YES}{キラリ}
ああ、きっと心痛む過去なんだろうな…
でも食事はしてるみたいだから、食欲あるだけでも救われます……
食べることは生きることだし
ただ、耳だけじゃなく、視線(視界)も気になります
桐子ちゃんの世界が無事、戻ってきますように……
鳥さんは、幻影なのか、なにか桐子ちゃんの心に伴う現象なのか、まったく見当つきません