真理の仮面・8
しかし、こんなにもの分かりの良い
副人格も珍しい・・・。
彼の場合、洞察力や観察力が強いから
こそなのかもしれないが、普通はもっと
取り乱したり、暴れたりされることが
大半だったので、少し私も驚いている
私は、何となく鼓くんの人格を
気に入っていた
それだけに、心が痛む・・・
しばらくして、鑑定室の扉が開く
楓「あれれっ・・・私、トイレで
寝ちゃったのかな~」
はははっ 鼓くんと真逆だね
透明「お帰りなさい」
楓「あっ先生~ ただいまです」
透明「ところで、大丈夫」
楓「はい」
透明「い、いやなんか、気持ち悪いとか
変な感じとか無い」
楓「う~~~ん・・・無いです~
なんでですか」
透明「い、いや~っ ほ、ほら トイレ長かったから」
楓「あっそ、そっか~す、すいません」
透明「い、いや、大丈夫ならいいんだ
気にしないで」
お~やばっ さっき、鼓くんが言ってたけど
彼女の感情が強く揺さぶられると、鼓くんが
出てきちゃうんだった
危ない、危ない
とにかく、彼女に真実を話さねば
私は、2年前のこと、鼓くんという存在を
彼女がわかりやすく、傷つかないように注意を払い
説明して行く・・・。
楓「・・・・。」
透明「(やばい・・・ちょっと衝撃が強かったかな~
なるべく傷つかないように話したつもりだけど・・・。)」
楓「・・・う~ん・・・要するに・・・
私は、自分の中に弟がいるってことですよね~」
透明「う、うん」
楓「それって~・・・何か凄いですよね~」
透明「そ、そうだね」
楓「わかりましたそれじゃ~、部屋を荒らしたのも
部屋のレイアウトを変えたのも、鼓がやったこと
なんですね~」
透明「う、うん」
楓「納得です~ありがとうございます
泥棒だと思ってたから、チョット安心しました」
透明「・・・だ、大丈夫」
楓「う~ん・・・鼓は、存在しない弟で、でも私の中には
存在しているってことですよね
実は、両親のことは、何となくわかっていたので
確認することが怖かっただけなんです」
透明「そうだったんだ・・・。ごめんね、全てを話して
しまって・・・」
楓「良いんです 少しスッキリしました」
透明「と、ところで・・・。」
楓「はい」
透明「さっき、話したと思うんだけど・・・」
楓「・・・鼓のこと・・・ですよね・・・」
透明「うん・・・。」
楓「・・・私は・・・鼓がいてくれることが、何というか
凄く楽で・・・鼓が消えちゃうなんて・・・
ダメって言うか・・・あれっ・・・なん・で・・
おかしいな~・・・グスッ・・・」
そうだよな~どんなに明るく振る舞ってても
辛い事実を伝えたことには変わらない・・・。
無理していたんだよね
しばらく、楓さんは声を殺して泣いていた。
その小さい肩が震える姿は、痛々しく
先ほどまでの明るい彼女からは想像がつかない
ほどであった・・・
私は一体どうすればいい
次回、決断の時です
続く・・・。
おすすめのお店で~す 是非役立ててくださいね
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コメント
2人ともいい子だからこそつらいですね{CARR_EMO_391}
なにかいい方法があるといいけど…。
てんちゃん
楓ちゃんを過去に戻して、鼓君て本当の弟が誕生するといいのにね、
ん…幸せになりますように{CARR_EMO_38}次回うPさて楽しみ{CARR_EMO_38}
楓さんもやっぱり理解力がいいですね…でもその分、辛いってゆーか{CARR_EMO_378}
人格をぬいぐるみとかにうつして会話できるようになったらいーのに{CARR_EMO_336}{CARR_EMO_334}って、そうなるとホラーですかね…{CARR_EMO_106}{CARR_EMO_334} 何が一番いい方法なんでしょうか{CARR_EMO_434}
鼓くんを守護霊さんに出来たらいいのにな~☆
以前テレビで多重人格者さんの映像を見たが、
それぞれに性格や能力が違うばかりか、
方言やなまりまで違っててかなり驚いたことがあります(=_=)
透明先生、まだまだ猛暑が続きますのでお体気をつけてくださいね♪