見えざる心・２

見えざる心・２

現代社会で、最近よく耳にする

うつ病や引きこもり・・・。

うつ病だけをとっても、かなりの人が

この病気にかかっていることが

知られている・・・

この国では、うつ病予備軍を含めて

国民の４人に１人がその傾向にあり

これから年数を追うごとにその数は

激増することが予測されている

うつ病や引きこもりの原因とされているのは、

精神的ストレスからくるもの

とされているが、病状をみても

簡単にストレスとくくるには、あまりにも

お粗末なくくりだと私は考えている・・・

その中でも引きこもりと呼ばれる行動は、

うつ病を発症した人、もしくはうつ病予備軍

とされる心身症を患っている人の防御方法の

ひとつとされている

ここまで現代病として知られるようになった

うつ病や引きこもりなのだが、その実、

本当の意味でこの病を知っている人は少なく

誤解が誤解を呼び、彼ら彼女らを卑下する人も

未だ少なくない・・・

正直、やれやれな世の中である

透明「原因は不明ですか・・・。」

伊崎「はい・・・。」

透明「わかりましたとにかく、息子さんのこと

　　　視させていただきますね」

伊崎「は、はい　よろしくお願いします」

さてと、木人図にアクセス

伊崎さんを通じて、息子さんの木人図に

再度アクセスする・・・。

透明「・・・・・・・・。」

伊崎「・・・・・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・心が・・・見えない・・・・

・・・深いモヤがかかってる・・・・

・・・・なるほど・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・原因は・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・後は・・・・・・・・・・・・・。

透明「ふ～っ」

伊崎「ど、どうでしたか」

透明「伊崎さん　伊崎さんは今の息子さんを

　　　恥ずかしく想いますか」

伊崎「えっ」

透明「先ほど、私に息子さんの話をためらった

　　　ときに、そんな気がしたもので・・・。」

伊崎「・・・正直、いい歳をして仕事もせず

　　　部屋にこもりっきりなんて

　　　でも・・・。」

透明「伊崎さんにとって、息子さんは大切な

　　　お子さんですから、心配していないワケは

　　　無いのはわかっています

　　　その上で、こんなこと聞いてしまって

　　　ごめんなさい

　　　それでも、彼を救う為には、伊崎さんの

　　　その恥ずかしいと思う気持ちを捨てて

　　　もらわなければ、彼を一生理解することは

　　　できないと想います」

伊崎「」

透明「私は、過去に何人もの人達を視てきて

　　　彼のような人も沢山いました

　　　彼のようは症状をもつ人達には

　　　必ず、理解者が必要なんです

　　　それも、うわべだけの理解では無く

　　　本当の意味での理解者が

　　　親として子供を育てる責任があるのは

　　　重々理解しています

　　　それでも、子供を１人の人間として

　　　対等の立場で同じ目線をもって

　　　理解しようとしなければ、彼の今の

　　　気持ちは理解できないと想います」

伊崎「そ、そんなことあなたに言われなくても

　　　わかっています

　　　息子は、私の子供です

　　　長年一緒に暮らしてきたんです

　　　あなたなんかに何がわかるんですか」

おっ　怒られた

でも、良い傾向良い傾向

透明「そうですよね私なんかより、

　　　伊崎さんの方がわかっていますよね」

伊崎「えっ」

透明「私は所詮他人です

　　　それならなおさら、あなたが息子さんを

　　　助けようと考えることが一番良い方法だと

　　　私は想います

　　　家族は、何ものにも得難い縁です

　　　その家族が本気で立ち向かえば

　　　必ず息子さんの気持ちを救って

　　　あげられると想いますよ」

伊崎「えっ　えっ」

事実、彼のような症状をもつ人には、

本当の意味での理解者が不可欠だ

それが家族ならなおさら良いと私は

思っている

彼を一番心配している家族だからこそ

できる献身的な愛情は、他の誰にも

真似はできないのもだと私は知っている

伊崎さんが怒ったことで、やっと対外的な

目線から、親として子を想う目線に

戻すことができた

呆気にとられている伊崎さんを横目に

私は話を進める・・・。

透明「伊崎さん今の息子さんの状況を

　　　お話します」

伊崎「は、はい」

透明「息子さんは、うつ病です」

伊崎「えっ」

透明「それは、間違いないと思います

　　　本当は、うつ病になる前に

　　　何とかしたかったのですが・・・。」

伊崎「・・・せ、先生・・・・う、うつ病って・・・

　　　本当なんですか」

　　　　　　　　　　　　　続く・・・。

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