見えざる心・10
しばらく、彼の呼吸が落ち着くまで
時間をゆっくりとかける・・・。
彼の呼吸が落ち着きを取り戻し
固まっていた時間が動き出す
透明「そろそろいいかな」
泰之「・・・・うん・・・。」
伊崎「そ、それじゃ~私は」
透明「おっと、伊崎さん
お母さんは、ここでしっかりと
聞いていてください」
伊崎「えっでも・・・」
透明「あなたは、母親です
息子さんのこと、今の状態、彼の望み、
全てを知った上で、あなた自身が
息子さんの良き理解者にならなくては
だからこそ、ここでしっかりと聞いて
いてください
いいよね泰之くん」
泰之「・・・・・コクリッ・・・。」
泰之くんの承諾を得て、ゆっくりと
話し出す・・・。
透明「泰之くんは、今の症状をいつから感じ
はじめた」
泰之「・・・1年半くらい前かな」
透明「自分がおかしいな~と想ったのも
それくらいから」
泰之「・・・うん・・・。」
透明「率直に聞いてもいいかな」
泰之「・・・なに」
透明「自分がうつ病じゃないかって
いつから想い出した」
泰之「・・・はじめは、自分の症状を
ネットで調べはじめて・・・
自分の症状と合致することが
色々書いてあったから・・・。
でも、そこまで非道く無いし・・・」
透明「なるほど・・・。
今、自分でわかる症状っていくつある」
泰之「う~ん・・・多分3つか4つくらいかな」
透明「(軽度のラインだな・・・。)
ありがとう質問ばかりでごめんね
疲れてない」
泰之「う、うん・・・大丈夫・・・。」
透明「ここからは、少し君の症状と
今置かれている状態について
話をさせてもらうね」
泰之「・・・うん・・・。」
透明「まず、一番大切なことを言うから
少し辛いかもしれないけど
聞いて欲しいんだ」
泰之「」
透明「君は、うつ病という複合的な病を
患っている
それは、症状、状況どれをとっても
確実に言えることなんだ
正直、受け止めたくないことかも
しれないけど、自分の今の状況を
ごまかし続けると、返って鬱は
非道くなってしまうから、
ここで、自分の病気と向き合うためにも
そのことだけは認識して欲しい」
泰之「・・・はぁ~っ・・・やっぱりか・・・。
でも、そうじゃないかと想ってたから・・・。」
伊崎「・・・・・。」
透明「ごめんね・・・でも、これだけは言える
うつ病は、必ず治る病気だから安心して」
泰之「・・・うん、わかった・・・。」
うつ病を認識すること
一見非道い行為に見えるかもしれないが、
実は、この認識がなければ病気と向き合う
ことはできない
うつ病の症状は、自分自身の本能から
休めという警告をされていることに
等しい
だからこそ、自分自身がその警告を
受け入れ、病気と向き合わなければ
この症状は加速的に増え、非道くなる
彼も、そのことは少し理解できていたようだ
しかし、うつ病を受け入れられない人々の
内心は前回お話したように、この病気を
偏見をもって見てしまう人がいること、
そして、この病気の本質を理解して
世の中にしっかりとした情報が提示されて
いないということもある・・・。
もちろん、本人達ですらその偏見を
捨てられない人も中にはいる
どちらにしても、この誤解を解いてゆかねば
泰之くん自身が病気に向き合うことはできない
私は、伊崎さんと泰之くんに、
うつ病についての誤解を解く為、
皆さんにお話したことと同じことを
やわらかく話して聞かせた・・・。
続く・・・。
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コメント
はじめまして。私の母が統合失調症を患っています。今は大分状態は落ち着いていますが、統合失調症とうつは全然違う病気なのでしょうか?
統合失調症はうつのように直るのでしょうか?
ワタクシは鬱ではないものの心療内科でカウンセリングを受けています。 会社の人はすぐ精神病とか面白おかしく言うからやっぱり他人には言えないです。
>ともさん
うつ病と統合失調症は違うものですが、
併発するケースもあります{ひらめき}
統合失調症は、陽性と陰性でも違いますが、
根気強く適切な対応を続けることで、
治ることが十分あると思います{YES}
時間はかかるけれど、周りがしっかり理解し、
親身に接することで状況は好転できるものなので、
少し根気を持ってお付き合いしてあげることが
大切になります{さくら}