風忌(かざき)の門
・12
透明「風忌の門」
狩理「まったく、馬鹿なことを・・・」
最臥「透明くん・・・風忌の門というのは、
その地その地に存在する五忌を司る門のことじゃよ」
透明「五忌って、忌み(いみ)のことですよね」
最臥「そうじゃ忌みは、人間から発せられる
マイナスの意識や想い・・・透明くんには、
淀みと言った方が分かりやすいかもしれんが、
これらの意識や想いは、鬼を産む力すら持っておる
だからこそ、自然の摂理の中には、この淀みを
封じる為の門が存在する
鬼の横行を抑制するために、鬼門や裏鬼門がある
ように、鬼を産み出す前に忌みを封じる門も
存在するということなんじゃよ
五忌の門はその地に、地水火風空の五門があり、
五福の門と相対的な関係で成り立っている」
透明「五福といえば、福門ですよね
・・・・なるほど・・・風水などは、この門から
自然の摂理からの恩恵をいただく手法だけど、
プラスの力があるのであれば、マイナスも必ず
存在するということか・・・。
ということは、この門が開くと・・・。」
最臥「まさに、人が想うあらゆる厄災がこちらに出てきて
しまう可能性がある・・・その中には」
留鬼「ご主人様悠長に説明などしている暇はなさそうです
」
透明「」
な、なんだ、これは~~~~っ
私達の目の前には、陽炎のようにゆらゆら揺らめく
大きな門が現れる
こんなの視たことも、聞いたこともないぞ
狩理「さ~て腕が鳴る
おいそこのチンチクリン
そんなヤツ、とっとと眠らせて、準備しろ
チビ助もだ」
揚羽「」
六羽「むっ」
揚羽「なんか、ムカつきますが確かに只事じゃ
なさそうですね」
黒揚羽の羽から、鱗粉のようなキラキラしたものが舞い
空中に漂っている・・・
霧神「あなた達、何を考えているんですか
人間風情に、風忌の門が閉じられると
おも・・・っ・・・て・・・」
揚羽「はぁ~・・・あなたはそこで寝ていてください
」
狩理「くるぞ
ご両人せっかくパワーアップしたのだから、
良いところを見せてくれよ」
揚羽「言われなくても」
六羽「は~い」
風忌の門と言われるその大きな門は、
音もなく、ゆっくりと開き始める・・・・
透明「一体、何が」
最臥「こうなってしまったら、覚悟を決めるしかあるまい
透明くんこれから視るものは、全て人間が持つ
本質の力だ
人間は本来、想いの力で神に近しい能力を行使する
ことができる・・・しかし、この危険な能力は
封印され、よほどの修業をしなければ行使できない
ようになっているのだが・・・五忌の門には、
それらを体現させる前段階の負の念が集約して集まっている
これから目にするものは、全て人間が忌み嫌う
感情や想いの塊が、形を成し具現化した存在
その昔、羅生門で描かれた百鬼夜行の正体じゃよ」
透明「」
門の中から、何かが出てくる
透明「う、嘘だろ」
ここではちょっと、説明することすら憚れる程の
異形な存在・・・直視することすら、敬遠してしまいそうな
禍々しいモノが次々と門を通り過ぎてゆく・・・。
狩理「ガァ~~~~~ッ」
そのモノ達に、躊躇なく襲いかかる狩理
次々に異形のモノが霧散してゆく
透明「狩理スゲ~~~っ」
最臥「よ~く、視ておきなさい
あれら1つ1つの存在が、人に及ぼす災いが
具現化した姿だよ」
透明「正直、驚きました
こんな世界が、まだあるなんて・・・世界はどうして
こうも知らないことに満ち溢れているのでしょうか」
最臥「くくくっ・・・さすが、竜太の子供だね
臆するどころか、興味津々とは・・・」
揚羽「ちょ、ちょっと
一体、どれくらい消去すれば終わるんですか~
正直、触るのも気持ち悪いんですけど~」
六羽「アゲハ・・・駄目っ
ご主人たま、守るんだから~」
揚羽「あっそ、そうですよね
それじゃぁ~、ちょっと本気になります」
黒揚羽の姿が
狩理「ひゅ~っ怖い怖い
黒揚羽そのまま全力で、門を閉じられないか
試してみてくれよ」
揚羽「命令するな
妾に指図できるのは、我が主だけじゃ」
透明「あ、あれって」
最臥「はははっ懐かしいじゃろ
あの子は、あの姿でないと、本当の力が出んからのぉ」
透明「あははっ・・・何だか、嫌な想い出が・・・
」
黒揚羽の本気・・・さすがに凄い
次々に忌みを霧散させ、門の奥まで押し返している・・・。
揚羽「どうじゃ」
留鬼「黒揚羽様門を
」
黒揚羽が全力で、門を閉めようと試みる
揚羽「・・・・駄目じゃビクともせんぞ
」
狩理「・・・・・やはり、駄目か」
留鬼「・・・・・。」
六羽「」
最臥「さてと」
透明「」
最臥「透明くん大した学びも授けてやれんで、申し訳なかった
」
透明「えっ」
最臥「短い間だったが、有意義じゃったよ
最後に二人を送り届けることができてよかった
それじゃぁ、門を閉じてくるとするか」
透明「ちょ、ちょっと、待ってください
最臥さん一体何を
」
最臥さんが、門へと歩をすすめる・・・。
続く・・・。
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コメント
最後に二人を送り届けることができてよかった
・・・ということは、最臥さんはもしかして、
扉をしめながら、向こうの世界に行ってしまうのですか??
やっぱり、最臥さんが登場する回って、すごく深い。
さすが、師匠の奥様のお兄様ですね・・・
毎回本当に目が離せません{アップ}
そうか、パンドラの箱みたいなんだったのか💦💦
説明読んでいて、この封じた門て『風』以外にもある、ってことですよね(゜Д゜;)
そもそも、そんな門開けたら、その場にいる人だけですまないのでは💦💦
ちょっと可哀相と思ったけど、
とんでもない心中を計りやが………ゲホッゲホッ
あら、まあ、乱暴な、
いやですわ、ワタクシったら(今さら)
唯一、狩理さん、黒揚羽さんのやりとり、いい味出しているのですが……
ラストシーン、最臥さんの決心と行動を意味するものが気掛かりです
透明先生の前で、
ましてやお師匠さまの義兄にあたる方なのなら、なおさら
わが身を呈してようなことは……やめてください
明後日まで長いよう
。゜(゜´Д`゜)゜。
うしおととらの、あの世とこの世を繋ぐ門を思い出しました(T . T)それは内側からしか閉じられないからお守り様が逝ってしまうんですけど💦
だけど!最臥さんは透明先生のご家族同然!!目の前でそうなってしまうなんて、あり得ないです!!きっと、何か違う方法があると信じて…
もし最臥さんの命をかけて収束することなら、この事態を起こした代償を彼女はどうするのでしょうか。先生のお気持ちを考えても怖いです。
人間の負の感情が作り出した世界は、怖くて、禍々しいものなんですね。
私の、負の想いも感情も入っているのだと思うと責任を感じます。
出来るだけ、明るく負の感情を出しそうになったら、このことを思い出して、気をつけようと思います。あ~~どうなってしまうのですか!
む、六羽先輩、やばい…(萌)←
最臥さん…そのままあっちに行かないで欲しいですけども(泣)…かつての弟子がやらかした事だから師匠が責任を取るて事なんだろうか…
てか、人間風情に…て、霧神さんは人間ではないのかしら…(汗)
透明先生{ラブ} おはようございま~す
先生の{わお}{ドキドキ} には負けるけど、
最臥さんの説明を もっと プリーズ {笑}
風忌の門、説明してもらったけど ムズカシイーー {ショック}{汗}
五忌=忌み{はてな}五忌の門=地水火風空の五門 {びっくり}五福の門 {わお}{なんで}
何なのか気になります{スマイル}
解ったのか解らないのか、分からないけど、
私も マイナスな意識や、想いを発してることに反省してます {ごめんなさい}
狩理さん、クールで シュッっとしたイメージだったのに、
なんか はじけちゃってるカンジが するんですけど{笑}
アレコレ考えてたんだけど 寝落ちしてしまいました・・・ {スリープ}{ため息}
トップクラスの狩理さんや、パワーアップした黒揚羽ちゃんでも
門を閉じられないなんて {げっ}{汗}
最臥さーん{汗} 行かないでーー{ショック}{涙}他に方法ないのかなぁ …{グズン}
昼休みに うP 見るのが、ドキドキで コワイ {汗}