実は・・・。・16

実は・・・。16

黒蝶の君には、もう戦意はなく、

何故だか気を落としているようにも見える・・・。

透明「聞かせていただきます・・・

黒蝶「そうか・・・おんしは、良いオノコじゃなぁ

   妾は、平安の刻に産まれ落ち、多くの人間を

   見てきたのじゃ・・・されど、人間は脆く

   直ぐに果て失せてしまう・・・

   妾は、鬼を産み落とした人間を知りたかった

   のじゃ・・・。

   そんなおり、此度の醍醐家による召喚の儀が

   執り行われ、妾は数えて8代目にあたる彩愛に

   憑く盟約を結ぶこととなった・・・。

   しかし、彩愛が産まれる前から、妾は人間を

   知りとうて、見てきたのじゃが

   正直言うとな退屈で仕方がなかったのじゃ

   人間は、皆同じじゃった・・・さして変化もなく、

   身勝手な思考、行動をする生き物がそこには

   いるだけだったのじゃ・・・そして、彩愛が

   産まれ、妾は盟約に従い彩愛に召喚された

   しかし、彩愛には妾を従えるだけの器も力も

   なかったのじゃ

   妾は、あきれ果ててしまってのぉ~

   そこで、妾の使い魔を監視役に置き、妾は異界で

   眠ることにしておったのじゃ・・・。

   彩愛がその命を全うするまでな

透明「気の遠くなる話しですね・・・

黒蝶「そうか妾達、鬼にとっては大した時間ではない

   しかし、何も得るモノがないというのも、退屈な

   ものでなぁ~」

透明「そうかもしれませんね・・・心中お察しします

黒蝶「さて、こんな茶番も飽きてきた

   妾との盟約を絶ち、早う妾を自由にしておくれ

透明「・・・ひとつ、お聞かせください

黒蝶「何じゃ

透明「鬼にも、決まりはあるはずですよねぇ

   召喚され、盟約を破棄され何も得ずに鬼界に

   もどるということは、本当にできるのですか

黒蝶「・・・・まあ、鬼界には戻れまい・・・。

   約定を成さずに帰ろうとすれば、その身は

   鬼界に入る前に崩れ落ちるであろうなぁ~

透明「・・・やはり・・・。」

黒蝶「まあよい妾は退屈なのじゃ・・・所詮虚より

   産まれた身、崩れようが虚に帰るだけじゃ

透明「・・・・・・。」

私は、考えていた・・・前回の護鬼遠雷の儀で

強制的に帰された鬼も、その前の鬼も・・・皆・・・

そして、今回、黒蝶の君を帰しても・・・またその次は・・・。

次回、透明先生強行します

               続く・・・。

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コメント

  1. なつ より:

    透明先生、皆様、おはようございます。
    やはり先生は、今回も黒蝶の君を含めた鬼を救うおつもりなのですね?
    抜本的解決でもあるのだろうけれど…。
    心して続きを待っています。

  2. みき より:

    透明先生、皆さん、おはようございます。
    透明先生の次回の「強行」を思うと、すでに胸がジーンといたします。

  3. つしくん より:

    ドキドキしながらいつも読んでいます。
    平安時代から…本当に気が遠くなるような時間ですね。
    この後、黒蝶の君がどうなるのか本当に気になります。
    少し気になったのは、法具の光瑠璃で契約破棄された鬼なども同じような運命をたどるのでしょうか?
    透明先生のことだから、そのあたりの対応はうまくされているんだとは思いますが、気になります。
    円満解決すると信じています。

  4. つしくん より:

    『実は・・・。6』に『鬼との契約を盟約レベル』とありました。
    契約と盟約は違うものなんですね。
    自己解決してしまいました。すみません{ごめんなさい}

  5. アオイ より:

    えっ。。
    黒蝶さんって、黒揚羽さん!?えっ、でもキャラが全然違う。。
    先生はスーパーサイヤ人みたいに瞳の色も変わるのですか…!?
    伊能さんのときも謎が多かったですが、先生の能力って一体…
    何だか色々??です( ゚д゚)
    しかも先生の能力ですと、腕と肋骨はすぐ治るのでしょうか??
    早く良くなりますように><

  6. mai-o より:

    先生は人だけでなく、鬼も救おうとされたんですね…。
    あ!それが、皆様が言うように今の黒揚羽さんという事…??
    更新、楽しみです。

  7. 初花 より:

    透明先生 みなさま こんにちは♪
    黒蝶の君は平安時代に生まれたのですね!
    それは人間にとっては長い時間ですが、鬼に
    とってはさほどの時間ではないのでしょうか?
    以前、先生のブログに「鬼の寿命は30~300年」
    と書かれてあったと、ワタシのノートには記録
    していますがこうして召喚され盟約を結んだ鬼と
    いうのは、その範疇ではないのでしょうか?
    とんでもなく長生きのようですね。
    でもって、これからの黒蝶の君の身の振り方が
    気になります。そして、醍醐家に次の代から先
    現れる鬼について先生はどうなさるおつもり
    なのでしょう?
    ハラハラしつつ見守りたいと思います。

  8. キラキラ より:

    やだぁ~透明先生にかかると、鬼までも可哀想に思えてくる。
    やはり、鬼は人間が造り出したものなんですね・・・。
    一番残酷なのは人間なのかもしれない。
    このあとも興味津々です!

  9. サングエ より:

    透明先生{ラブ} こんばんは {ラブラブ}
    黒蝶の君の潔さに{グズン}
    本当に その力を持て余して、時を過ごして こられたんですね …
    黒蝶の君にも、そういったことが記されている古文書や文献に、
    とても惹かれます{わお}{ひらめき}
    身勝手な思考や行動 {涙}まさに自分と重なる出来事があり、
    自己嫌悪中です{ごめんなさい}

  10. ひよっこ より:

    遅ればせながら拝読しております。
    透明先生いつもありがとうございますm(_ _)m
    今までの鬼たちは、
    みんな無理に契約解除されて、
    自分の世界にも戻れず、消えてしまったのかと思うと、心が痛みました。。

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