大切な約束・23
最臥「改めて、自己紹介をさせてもらうね
私は、鈴音、そう、君たちがお母さんと
呼んでいる妹の兄、そして、君たちの
師匠である竜太(りゅうた)の義兄にあたる、
最臥という者です」
先生の名を・・・間違いない
この人は、先生の親族だ
透明「で、でも、そのお兄さんがどうして」
最臥「そうだね・・・先ずは私の身の上話を
しなくてはならないのだけど、良いかな」
透明「お願いします」
最臥「私は、君たちが通っていた道場の一人息子として
日夜、修行に明け暮れていたのだが、どうにも、
才能がなくてね」
透明「そ、そんな最臥さんは、観似手を使いこなしている
じゃないですか」
最臥「いやいやいくら観似手を身にやつしていても、
苦手なモノはあるのだよ
それに、私は君とは違って、越えし者ではない・・・。
留鬼は、元は鬼だからね本来の目の色は赤色
留鬼に狩理を呼び出してもらう形にした為、擬人化させていた
姿が解けて、目が赤くなったように見えただけのこと
だから、私にはそこまでの才能はないのだよ
私の家は、古くから術者を輩出する名家
体術・心神術・呪術・・・色々な面でエキスパートに
ならなければならない重圧が日々圧し掛かっていた・・・。
そんな中、父が特殊な能力を有した者を孤児院から
預かってきたのだよそれが、竜太君たちの師匠だ
私から視ても、彼はとてつもない才能の塊だった
砂が水を吸い込むとは、このことかと思うほど、
全てを柔軟に時間もかからず、吸収していった・・・。
最初は嫉妬もしたが明るく奔放で、誰からも好かれる
彼のことを、いつしか私も好きになっていた
当然、才能が違い過ぎて焼き餅も焼けんかったがねはははっ
それから、鈴音と竜太は恋に落ち、父も認める仲になって
いたんだ
だがその当時、家を継ぐというのは、難しくてね
才能がある彼が鈴音と結婚しようと、やはり血には勝てん
私は、その時どうしても竜太に家を継いでもらいたかった
想いがあってな・・・そこで、家を飛び出した・・・。
正直、無謀も無謀結局つかまってしまったのだが
私はその時、父にある提案をした
もし、血を絶やさず家を守りたいのであれば、能力は無いが、
鈴音を当主とし、竜太との子に次の当主を譲ればよい
そうすれば、きっと我が家はかつて無いほどに繁栄するとね
そして、もし、二人に子ができなければ、私が戻ることを
約束して家を出たのだよ」
透明「そんなことが・・・。」
最臥「その後、人知れず家を出た私は、知り合いの伝手を使って、
香港へ行き、占い師として仕事を始めたんだ」
透明「えっ」
最臥「はははっ君と同じだね」
透明「それじゃぁ~、術師として仕事をしていたのでは」
最臥「あれは、留鬼が勝手に作ったこと気を悪くさせて
しまい、申し訳ない・・・もちろん、占い師として、
君のように少しは能力に頼ることはあるけど、
手を染めるようなことはしていないから安心してください」
透明「くすっ今の最臥さんを見ればわかります」
最臥「あははっそう言ってくれるとありがたい
さて、どこまで話したかな
そうそうそれから、数十年して・・・私の目の前に
一人の男性が現れた・・・そう、君たちの師匠だよ」
透明「」
最臥「彼は、私がいなくなってからも、ずっと私を探して
くれていたようなんだ・・・上手く隠れていたつもり
だったのだがね・・・」
透明「・・・師匠は、そういう人です・・・」
最臥「そうだねその時、初めて父が亡くなったことを知り、
家に戻ってきて欲しいと頼まれたのだが・・・私も家を
捨てた身、それに父と約束をしていたのでね
一生家の敷居は股がないと・・・だから、
その気持ちに答えることはできなかったんだよ・・・。」
透明「・・・・・。」
最臥「それから、しばらくして鈴音と竜太が私のところに
数回来てくれてね
その時だよ君たちのことを聞かされたのは」
透明「」
最臥「そこで、私は竜太と大切な約束をしたんだ」
次回、最臥さんと師匠の約束が・・・。
続く・・・。
昴と透明先生のお店
Guardian Jewelry Access
是非ごらんください
おすすめのお店で~す 是非役立ててくださいね
ポチしてくれると励みになります
応援よろしくお願いします
↓ ↓
にほんブログ村ランキング
↑ ↑
応援ボタン2箇所ポチッとよろしくお願いします
コメント
お師匠さんには、そのような過去があったのですね・・・
透明先生と最臥さんが、このお話をしている風景が浮かんでくるようです。
大切な約束、次回の更新を楽しみに待ちます。
透明先生、いつもありがとうございます{ラブ}
とてもドラマチックです✨
おお~やっぱりお師匠様がレールを引いていてくださってるのですね。。
さすが偉人は亡き後の事までお考えなのですね。。。
透明先生、こんにちは。
今日のブログの最後に貼って下さった、過去の記事のリンク・・・改めて、全部じっくりと読みこんでしまいました。。。
人間の想念とは、自然の摂理、光と闇のバランスを保ちながら考え、生きていく事は本当に難しいと思います。
私は40代で、すっかり良い歳の大人ですが、光と闇のバランスをとって生きるなんて、ぜんぜんできていません。。。
きっと、透明先生や先生のご師匠様のように、厳しい修行を積み重ねられた人格者の方が成し得る事なのだと思いますが・・・「40代になってもできていない自分」を自覚する事で、人間として、これから生きて行く上で考え悩み、行動すべき、大切な課題なのだと思いました。
今回の続編、最臥さんとご師匠様の約束も、とても気になります。。。
最近の人間関係事情に、疲弊しきっている私ですが、透明先生のどんな時も誰にでも平等に向けられるご厚情な振る舞いや、亡くなられても尚、沢山の方に慕われ続けて、すばらしい縁を紡いで下さっているご師匠様のお話を聞かせて頂いて・・・優しい強さをゆるぎないものにできるよう、浄化させていただきたいと思います。
透明先生 みなさま こんにちは♪
…まさに「事実は小説よりも奇なり」ですねぇ。
信じられない展開に、ただただ呆然です。{わお}
最臥さんは、お師匠様とも兄弟同然に育って
こられたのでしょうね。お師匠様の才能を
誰よりも熟知していらした方だと思います。
お師匠様と奥様との間に生まれた子に家を
継がせる…とのことでしたが、お子さんは
いらっしゃったのかな?もしお子さんがいら
っしゃらないのなら最臥さんが継ぐと決めて
いたようですが、実際はそうなってはいない
のですよね…?
お師匠様がお亡くなりになってすぐに奥様は
アメリカに渡ってしまわれたようですし、
家系として受け継がれてきたお仕事は今は
どなたが担っていらっしゃるのかな?
透明先生やゴキョウダイが分担されて
いるのかなぁ…とか、色々と考えてしまい
ました。
お師匠様が亡くなられて20年以上が経った
今、なぜ最臥さんが現れたのかがとても
気になります。そして大切な約束とは一体…?
次回、またしても号泣の予感…{ごめんなさい}
ドキドキしながら待っています☆
最臥さんにはお子さんはいらっしゃるのかも気になります…(・_・;)
まあ、先生やキョウダイさん達は
お師匠様と奥様の息子&娘のようなもんですからもうこの際…(*´∀`)ウンウン♪
留鬼さんが話した、師匠と同じ仕事をしないかという内容は作り話じゃないのかぁぁ…な?と思いました。
先生にお師匠様は託されようとしたのかな。
だけどそれでも先生のご意向はだいじに考えられた約束になってるんだろ~な…
ちょっと文書おかしいですけど笑。