安定と不安の境界線・２

安定と不安の境界線・２

透明「要士さん何があったの」

篠原「実は・・・」

彼の話では、再就職先は環境も人も良く、

うつ病を患っていた自分には最適な会社だったのだが、

先月、直属の上司が移動となり、新しい上司が

配属された途端に、状況が変わってしまったと

いうことらしい・・・。

透明「その上司さんて、威圧的な人なの」

篠原「いいえ・・・その逆です」

透明「えっ」

篠原「全くと言って、仕事をしない人任せな

　　　人なんです・・・。」

透明「な、なるほど・・・

　　　(意外と、そういうパターンも厳しいかも・・・)」

篠原「その上司が来てから、仕事の効率が下がって、

　　　個人にかかってくる仕事の量が増えてしまって

　　　そのせいで、今まで仲良くやっていた周りの人が

　　　ギクシャクすることが多くなって・・・」

透明「うわ～っなんだか、それもキツイねぇ～

　　　実際、要士さん自身も煽りをくらっているの」

篠原「は、はい・・・仕事量はもちろん増えましたが、

　　　それよりも、色々な人が、色々な人の悪口を

　　　言うようになって・・・それを毎日聞かされて・・・」

透明「なるほど・・・

　　　要士さんは、今の会社の状況をどうにかしたいんだね」

篠原「はい・・・ただ・・・。」

透明「」

篠原「すみません・・・どうしても、人の気持ちが重く

　　　苦しくなってしまっていて・・・逃げているのかも

　　　しれないのですが・・・自分自身が保つか、わからなくて」

透明「そっかでも、それでいいんだよ」

篠原「えっ」

透明「今までの要士さんなら、自分の気持ちを抑えて

　　　無理をしてしまっていたと思うんだ

　　　でも、今の要士さんは、病気を乗り越えて、

　　　自分の気持ちを優先することを覚えたのだから、

　　　その気持は正しいと思う

　　　後は、要士さんが、無理のない程度に頑張れるのか

　　　それとも、新しい場所を求めるのか

　　　自分に正直に答えを出せば良いと思うよ」

篠原「先生・・・ありがとうございます・・・

　　　少し救われた気持ちです・・・。」

透明「ただ、これだけは一つ理解しておいて欲しいんだ」

篠原「」

透明「今の仕事場で落とし所を見つけて頑張ることも、

　　　新たな仕事を見つけて行くことも、

　　　どちらも、多少気持ちに無理がかかってしまう

　　　どちらが自分にとって負担が少ないのかを

　　　しっかりと考えて選んで欲しいんだ」

篠原「・・・確かにそうですよね・・・。

　　　今の職場は、今の環境を除けば、好きな仕事ですし、

　　　今から、新しい職場を探すことの方が、

　　　焦って負担が大きい気もします・・・」

うん冷静に判断できている・・・

篠原「・・・・・や、やっぱり今の職場の環境を

　　　良くする方が、無理がないのかも・・・。」

透明「よしそれじゃぁ～、今の職場を良くする

　　　方向で考えてみようか」

篠原「はいお願いします」

私は、篠原さんの木人図を視て、状況を把握する・・・

透明「なるほどね」

篠原「何とかなりそうですか」

透明「うん大丈夫そうだよ」

次回、職場の安定を図ります

　　　　　　　　　　　　続く・・・。

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