安定と不安の境界線・６

安定と不安の境界線・６

それから、５ヶ月が経ち・・・

透明「おっ今日は篠原さんか」

「カランカラン」

篠原「こんにちは先生」

透明「いらっしゃい要士さん

　　　調子はどう」

篠原「はいおかげさまで、頑張っています」

透明「それは良かった」

篠原さんは、今までにない元気な姿を見せて

くれていた・・・

透明「さて今日は、何を視ようか」

篠原「はい 実は、前回先生に言われたように、

　　　少しずつ頑張ってみたお陰で、会社でも

　　　安定して仕事ができています」

透明「それは、良かった 先生も安心したよ」

篠原「・・・ただ・・・。」

透明「」

篠原「何て言えばよいのか・・・」

透明「クスッ・・・このままで良いのか

　　　少し不安になってきたかな」

篠原「えっな、何で」

透明「そろそろ、そんな気持ちが芽生える頃かな～

　　　って思ってね」

篠原「」

透明「人間というのは不思議なもので、安定している

　　　時だからこそ、不安定を探してしまうものなんだ

　　　それは、人間が常に危険を回避しようとする

　　　防御本能から来るものだったり、

　　　受情向上本能(じゅじょうこうじょうほんのう)

　　　から来るものだったりするんだ」

篠原「じゅじょう」

透明「受情向上本能私も師匠から教えてもらうまで

　　　知らなかったものなのだけど、受情向上本能

　　　というのは、人間がもつ感情本能のひとつ

　　　受け身で許される現状つまり、安定状態を

　　　続けることで逆に情緒が不安定になり、

　　　このままで良いのか長くは続かないのでは

　　　という不安定な気持ちが自然と募ってゆくもの

　　　しかし、これは安定の中で行われる不安定のため、

　　　その不安定を自ら回避しようとする感情が生まれる

　　　つまり、このままではいけない前に進まなければ

　　　という向上心を伴うことで、情緒を安定させて

　　　人間を向上させようとする大切な本能なんだ

　　　要するに、レベルアップの時を教えてくれる

　　　アラームみたいなものかな」

テレレ・レッ・テッテ～ッ

透明はレベルが上がった

食欲が１上がった

糖質が２下がった

疲れが１上がった

眠気が１上がった

甘みが２上がった

(怠惰のレベルUPか～～い 糖質下がっているし

　それに、甘みって何だ～～～っ)

篠原「なるほど・・・何だか、わかる気がします」

透明「クスッ まあ、これは今の要士さんが

　　　安定した環境にいる証拠でもあるのだけど、

　　　裏を返せば、要士さんにとって、今の現状では

　　　満足できない深層心理があるということにも

　　　なるんだ」

篠原「えっ」

透明「よ～く考えてごらん

　　　本来、現状に満足感があり、仕事にも充実感があれば、

　　　人間は不安を探しても、充実感がある分、その不安を

　　　すぐに払拭し、現状を変えようとはしない

　　　いわゆる、リア充ってやつだね

　　　それでも、君は満足感と充実感が満たされていない

　　　それは、君のどこかに、このままでは終わりたくない

　　　自分はもっと行けるという自分を信じる力と向上心が

　　　あるということ

　　　まあ、これは深層心理つまり、木人図と繋がる

　　　深層部分が木人図に刻まれた他のルートを知っているから

　　　起こる現象でもある」

篠原「他のルートですか」

透明「うんどんな人でも、どんな事柄でもそうなのだけど、

　　　自分が頑張っているにもかかわらず、満足感や充実感が

　　　出ない、出てこないという時は、木人図上に別のルート

　　　つまり、自分が満足ができ充実できるルートが他に存在

　　　していることが多いんだ」

自分の満足感や充実感

人生において、非常に大切な２つの要素を持つルート

次回、篠原さん悩みます・・・。

　　　　　　　　　　　　続く・・・。

　　　
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