見えないその手を掴むもの・15
透明「河崎さん、淳也くんに分かるように、
ゆっくり話かけてあげてください」
河崎「は、はい・・・ぐすっ・・・淳也・・・。
そこに・・・ぐすっ・・・いるの・・・」
淳也「じゅん、ここだよ~ここだよ~」
透明「ここにいるよとちゃんと返事をしていますよ」
河崎「淳也・・・お母さん・・・淳也の声が聞こえなくて
ごめんね・・・ぐすっ・・・淳也はずっと、お母さんの
側に・・・ぐすっ・・・いて・・・くれた・・の」
淳也「ここにいるよ~ずっと、いるよ~」
透明「淳也くんは、ずっと側にいてくれたいたみたいです」
河崎「淳也・・・ごめんね・・・お母さん、淳也が・・・
見え・・・なくて・・・ごめんね・・・うううっ・・・」
河崎さんは、声を震わせながら、淳也くんに想いを伝える
淳也「おかーたん・・・泣かないで~・・・おかーたん」
透明「河崎さん・・・淳也くんが、泣かないで・・・と・・・。」
まずい・・・私まで、涙が・・・
とにかく、淳也くんの負担を最優先しなければ・・・。
透明「淳也くんお母さんに言いたいこと、何かある」
淳也「うんおかーたんと一緒に、公園行きたい
おかーたんと一緒に、ご飯たべた~い
うんと、うんと・・・おかーたんに・・・
ギュッとして欲しい~」
グッ・・・ちゃんと伝えなくちゃ・・・
私は、深呼吸し河崎さんに淳也くんの想いを伝える・・・。
河崎「淳也~お母さんも淳也と一緒にいたい・・・。
淳也を抱きしめてあげたいよ~うううっ・・・」
河崎さんの叫び声がこだまする・・・。
淳也「おかーたん・・・泣かないで~え~ん」
し、しまったこれ以上は、まずい
淳也くんの魂が悲鳴を上げている
瑠璃「淳也くん」
透明「瑠璃」
淳也「」
瑠璃「淳也くん・・・おばちゃんのこと、覚えてる」
淳也「うん響ちゃんのおかーたん」
瑠璃「そうだよ~今度は、おばちゃんと遊ぼうか」
淳也「うん」
瑠璃は、私に目配せをし、淳也くんと遊び始める・・・。
正直、助かった
私としたことが、情けない
瑠璃がフォローしてくれたお陰で、何とか立て直せる
私はすかさず、河崎さんに話しかける・・・。
透明「河崎さんお気持ちはわかりますが、ここは一度
落ち着きましょう」
河崎「ううっ・・・ご、ごめんなさい・・・」
透明「大丈夫淳也くん、瑠璃と元気に遊んでいますから」
河崎「すみません・・・」
透明「河崎さん・・・お伝えしにくいのですが、今の淳也くんの
状況をお話したいので、聞いてください」
河崎「・・・淳也は・・・何か危険な状態なのですか」
私の言葉を聞き、一瞬で冷静になる河崎さん
さすが、お母さん子供の危険に敏感だ
透明「正直に言うと・・・。」
河崎「先生淳也を助けてください」
透明「もちろんですただ、これは河崎さんにも手伝って
もらわないといけません」
河崎「どんなことでもします私はどうすれば」
今の淳也くんにとって、最良の選択をしなければ・・・。
続く・・・。
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コメント
たとえ現世では別れても、じゅんやくんを送ってあげなくてはいけないのですよね。
一瞬にして冷静になった母親、さすがです。
毎回、じわっ~と泣けてきます。
透明先生{ラブ} こんばんは
ヤバイ{汗} 、昼ごはん休憩で見てて、泣きそうになっちゃった{グズン}
せめて声だけでも聞こえたら・・・
河崎さんが淳也くんの姿を見るときは、元気だった頃の
健康な姿であって欲しいです{虹}
透明先生こんにちは
今回は
泣いちゃいますね。
健気にも親を守っていたなんて。
亡くなった自分の肉親も
ジュン君みたいに守ってくれているのかな?
だとしたら 仏壇に向かい 守ってね
頼めませんね。元気なとこを見せなきゃ。