哲学への道・6

哲学への道

透明「まあ、宗教的なことはさておき、

   先ずは、槙本さんにお伺いしたいのですが、

   槙本さんは、死後の世界があると思いますか

槙本「えっい、いいえ

   死は、ただ単に生命活動の終焉であり、

   その先には、骨が残るだけだと思っています

透明「哲学者さんらしい答えですね

   しかし、私は死後の世界があることを知っている

   その上で、考えたいのですが槙本さんと同じように

   死後の世界は無いと考える方と、死後の世界はあるという

   方の考えを比べると、今の時代、どちらが多いと

   思いますか

槙本「えっ・・・そ、そうですねぇ~

   現代社会では、そういった非現実的なことに関しては

   エンターテイメント性をもって紹介される程度ですから、

   実際に、死の先があるということを信じている人は

   少ないのではないでしょうか

透明「なるほど~確かに、都市伝説や怪談話などは、

   見方を変えれば、エンターテイメントですよね

   昔は、親や祖父、祖母などから、死後の世界の話を

   聞かされることもありましたけど、今はそういった

   話をされる方も少ないかもしれませんね

槙本「嘘をつくと、エンマ大王に舌を抜かれる
   
   悪いことをすると、地獄に落ちる

   などと言うことは昔から伝承されていますが、

   それを信じていた昔の人は、純粋だったの

   かもしれません

   ですが、現代では、確証の無いモノや根拠の無い事柄

   全てフェイクとして捉えられてしまいますから

透明「なるほどねでも、ここで1つ疑問がでますよね

   槙本さんがおっしゃるように、現代では、死後の世界を

   信じていない人が多いのであれば、昔の人が恐れている

   死と、現代の人が恐れる死は、別のものとなりますよね

槙本「あっ

透明「昔は、槙本さんが言ったように、死後の世界があり、

   悪いことをすれば、地獄に落とされてしまう恐れがあるから

   死を恐れていた部分もあったと思います

   それに、昔はお寺さんとの関係も近かったですから、

   宗教的な教えも影響していたかもしれません

   しかし、今の人達は、そのことを信じていないとなれば、

   死というモノを恐れる理由は、何だと思いますか

槙本「そうですねぇ~・・・表面的な痛みや苦しみとしての

   イメージもあるかもしれませんが、現代的には、

   存在の消滅を恐れているのではないかと

   最近では、SNSなど、自分自身の存在をアピールする人が

   多くなっていますから、自らの存在が消滅することは、

   恐怖の対象となっていると考えられます

透明「う~ん・・・それは少し、極端かな~

槙本「えっ

透明「存在の消滅が恐怖と直結しているのであれば、

   消滅することでしか、存在をアピールできなかった人

   どうなるのでしょう

槙本「そ、それって・・・自殺ですか

透明「ええ・・・残念なことですが、自殺をする人の大半は、

   死に対して恐怖ではなく希望を抱いているんです

槙本「き、希望ですか

透明「私事で申し訳ないのですが、私は自殺をしてしまい

   この世に残ってしまった方の声を沢山聞いています

   彼らは、死を選ぶ際に、決して恐れを抱いてはいなかった

   ・・・逆に、自分が死を選ぶことで、生きること、

   生きなければならない、苦しみや恐怖から抜け出すことが

   できるとさえ考え、死に対して希望すら持つていた・・・。

   もちろん、死後に待っていたのは希望ではなく、後悔に

   なってしまうのですが・・・

槙本「ううっ・・・・これも、完全に破綻していますね

   確かに死は、人それぞれ違う感情で向き合っているのが

   分かった気がします・・・そうか・・・今と昔、自ら死を

   受け入れる人・・・それぞれが、死に対して持つ感情は、

   決して恐怖だけではないということになってしまう・・・。

   やはり、この題材は、答えが出ないモノなのかも

   しれませんね・・・。」

透明「そんなことはありませんよ

槙本「えっ

透明「槙本さんは、哲学者になるんですから、そんな所で

   諦めてはいけません

   それに、この題材にも、ちゃんと答えはあるのでは

   ないでしょうか

次回、死について考えます・・・。

            続く・・・。
   

   

   

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コメント

  1. みき より:

    今回のテーマ、読んでいてちょっと苦しいです{ごめんなさい}
    相談者の槙本さん、完全に「論理破たん」していますよね。
    私も仕事で、自信たっぷりに語るも「論理破たん」という人を
    相手にすることがたびたびあり、対応に苦慮しております。
    透明先生の話の進め方を参考にさせていただき、
    「しなやかに、敵をつくらず」に、相手を導いていくような
    話の進め方を身につけなくては・・・と思います。
    透明先生、いつも気付きをいただいてありがとうございます{ラブラブ}

  2. 和樹 より:

    お、意外だった、
    槙本さんは『死後』があるからこそ、『死』の概念を追究したいのかな、
    先生に聞いてみたいのかな、
    と思ってました
    まるでテンプレートみたいな(笑)ディベート合戦でした(^_^;
    確かに、スピリチュアルやオカルトというだけで、嫌悪!認めない!という方は一定数いらっしゃりますし💦💦
    うーん、これはかなり、槙本さん、
    自分の長年の信念と、先生からもたらされる話と付き合わせて、
    自己矛盾と戦わねばならないかな
    (;´Д`)?
    哲学とは、苦しい作業でございます………

  3. E7#9 より:

    一般人はともかく哲学者が死後の世界を認めたら商売あがったり
    ですから。要するに神学・霊学 vs 哲学なんです。
    それと死後の世界や神の存在を否定する人間、特に哲学者は
    色々理由付けはあるにしろ堕天使同様、自己肥大した傲慢な
    人間だからだと思います。
    昔の人は純粋だからという考えは浅はかな感じがします。
    サードアイというか感と言ってもいいでしょうがそれが退化
    したからじゃないでしょうか。スマホの奴隷になって思考力
    ゼロ、前頭葉益々萎縮してこの世を操り支配する悪い奴ら
    万々歳ですね。「神」が早いところ現世で悪を全部裁いて
    地球をクリーンにしてくれればいいのですがなかなか先に
    進まないのは神界でも善悪の激烈な戦いなんでしょうね(笑)
    波動というか魂のレベルの高くない人は臨死体験でも
    しなければ霊界について得心出来ないでしょうね。

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