千世の大神(ちせのおおかみ)・16
喰神(じきしん)
古来、神はこの世を作り、世界を安寧へと導く
存在であった・・・しかし、この世の理には、
必ず陰と陽・・・光と闇が存在して成り立ち、
穢れである闇は、強烈な光で相殺しなければ
ならないものでもあった
そして、神の中でも特殊な存在あり
古い文献にもあまり登場しない特殊な神
闇を覆い隠し、その身で穢れを浄化する神様・・・。
その神にとって、穢れは食であり、存在を維持する
意味合いでもあった・・・この穢れを喰らう神を
喰神と言い、神の国をも救う英雄として描かれるもの
穢れを好む神として、忌み嫌われる存在として
描かれているものも存在する・・・。
そして、この神のもう一つの特徴は・・・。
透明「喰らった者の能力を奪う神・・・。」
流奈「そ、それじゃぁ~」
透明「くそっもっと早くに気がつけば・・・
本当に申し訳ない」
流奈「で、でも、願いさえ言わなければ、
私に干渉することもできないから・・・」
透明「いや喰神といえど、大神だ
このまま、呼び出しただけというのは、
神罰がくだりかねん
それに・・・。」
流奈「あっそ、そうだよね
あんたには、傷つけることも干渉もできるんだよね」
透明「もし、神の機嫌を損ねてしまったら、
私に対して何かしてくるだろう
私としては、それは別に良いのだけど
流奈にとっては・・・
まったく情けない・・・これでは、
私が人質にとられてしまった様なものだ
本当に申し訳ない」
流奈「ううんそんなことないよ
透明が気づいてくれなければ、今頃は・・・。」
透明「とにかく、私に策があるから、
少し無理やりだが、付き合ってくれるか」
流奈「う、うん」
しばらくして・・・
喰神「む~っおいまだか」
「ドンガラガラ」
喰神「お、おい何をしている」
突然、流奈に殴られる透明
透明「な、何するんだ
本当のことを言っただけだろう」
流奈「許さない」
もう一発モーションの大きな蹴りが透明の腹に
突き刺さり、数メートル飛ばされ壁に激突する
透明「ガッ」
流奈「謝りなさい」
喰神「お、おいま、まて何を」
流奈「神様、本当に申し訳ございません
神様の前でお見苦しいところを見せてしまうのは、
忍びないため、後日あらためてお願いさせて
いただきますので、今日のところは大変失礼ですが、
お帰り願いますよう、お願い申し上げます」
喰神「お、おう」
もう一発強烈な右拳が透明の顔面を襲う
喰神「
み、見るに耐えん」
そう言うと、神様は消えて行く・・・。
透明「ううっ」
流奈「・・・・・」
一分後・・・
流奈「と、透明~大丈夫~~~」
透明「う、うん、何とか
でも、やっぱり神様だね
本気の争いごとは見ていられなかったか」
神様の中には、争いごとを嫌う神様もいらっしゃいます
もちろん、争いごと自体を諌める神様もいらっしゃいますが、
喰神のように、自分のお役目がハッキリしている神様は、
割とこういったことを醜いと感じてほおっていって
しまうものなのだ・・・。
透明「しかし、流奈の迫真の演技がきいたね」
流奈「馬鹿ねぇ~ 演技なわけないじゃない」
透明「へっ」
流奈「演技だと、神様にはバレてしまうから、
本気でやったわよ」
透明「おいおい」
流奈「昔、いたずらされたことを思い出して、
憎しみを込めておいたから、バレなかったのよ」
透明「ええ~~~っ」
流奈「昔、あんたが私のカバンにGを入れたのを思い出して」
透明「それ、ちが~~~~~う
それやったの、陣だったろ~~~っ」
流奈「あ、あれ違ったっけ」
透明「うう・・・通りで、痛かったわけだ・・・」
流奈「でも、帰るという行為自体を願いにして、
帰りたくなるようなシチュエーションを作るなんて、
さすが、透明だね
呼び出したくせに、ただ帰ってくれとお願いしたら、
失礼をしたということで、神罰を受ける可能性も
あったし、願いを聞いたということで、私に干渉する
時間も作れてしまっていたからね」
透明「いまさら持ち上げられても、嬉しくな~~~い」
というワケで・・・何とか難を逃れた私達は、
一度テントに戻り、対策の練り直しをすることに・・・。
しかし、困ったぞ
結界を回復させるには、喰神のお力を借りなければならない
しかし、喰神を呼ぶことは・・・
私は、頭の中をフル回転させていた
続く・・・。
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コメント
神さまの世界って、なんだか数学の話みたいですね。こっちがちんぷんかんぷんなだけで、ちゃんと整合性のあるアルゴリズムで動いてるんだなぁと。
先生は本当にすごい方ですね( ; ; )
尊敬します。
女の子に何というイタズラをー!ヽ(`Д´#)ノ
陣さんイメージ、私の中で急降下じゃ~(苦笑)
『特にダメージないけど…』
…で、ですよねー(^_^;
名も無き神様は、こうした古来からの方もいらっしゃるんですか……
穢れだけ食べるんじゃなくて、興味あるものなら食欲旺盛で、でもって争いは苦手で、世界(現世?)秩序守るために、存在は必要で……うーむ、私の理解困難💦
神様って、ほんとにいろんな方がいらっしゃる(゜Д゜;)
どうなるかとはらはらしておりましたが、一難去って良かったです。
でも、数メートル吹っ飛んでしまう流奈さんの蹴りって・・・。
透明先生、お怪我されていないか、心配です。
次回の更新も気になります。
それは別に良…くないです。
透明先生の機転と流奈さんの演技力で、お二人共に怪我等何事もなく切り抜けられて良かったです。
ギリギリな状況に出くわしやすいお仕事なのだなとは思いますが、毎回とても楽しみにしてますので、末永く続けられる様に御自愛くださいませ。
こんばんは☺️
喰神様のお役目は人が、…神様があまり進んでやりたいと思わない事を進んでされているお役目なのですね。それで均衡を保てている世界に私たちが暮らしているということでしょうか…。神様の能力…力はこの文で恐ろしさが目立ちますが大切で原則的な?事なのですね。神様のそれぞれの力や役割等分かりませんがありがとうございます😌✨
しかし透明先生さんの作戦、頭の良さが冴え渡り✨そして本気の返しがかえってくるとは(笑)
一旦無事に帰って戴いて取り敢えず『ホっ😰』としました。
まだ鈴の音の話が出て来ていないので展開が楽しみです☺️✨
今までいろいろと割り食うシーンあったけど、今回が一番同情します
透明先生、お疲れ様ですorz
透明先生{ラブ} こんばんは
流奈さんたら{キラリ}女優ですわ{パチパチ}
難を逃れられて、良かった{スマイル}{ため息}
喰神さまは穢れを食して、
浄化するんです…よね{はてな}
なんで浄化されてなかったんだろ{考えるひよこ}
好物の穢れが無くならないように、
ちょっとずつ食べてるとか{笑}{なんで}