座敷に童子 風流なり・7
透明「座敷童子って言うのは、本来その家に憑く
付喪神(つくもがみ)です」
時雨「つくも」
透明「そう付喪神 家憑き神とも言われる存在です」
時雨「か、神様なんですか」
透明「う~ん、ちょっと違うんだけど
それほどの力を有していて、
その家に幸をもたらす者と言われています
世の中的には、妖精や精霊などとも言われて
いますが、それともちょっと違う存在なんです」
女将「じ、じゃあ、あの足音は」
透明「その座敷童子です
座敷童子は余程そのことを
伝えたかったのでしょうね
必死で走っていましたよ」
女将「そ、そんな・・・。」
時雨「・・・そうやったん・・・。
先生・・・想い出したんです
小さい頃あの部屋で、小さい女の子と
遊んだ記憶があったこと」
透明「そうですか 覚えてらしたんですね
そのことも、懐かしそうに歌ってましたよ」
時雨「そうですか・・・。
あの頃は、てっきり迷った子が入って来たんだと
ばかり思っていて・・・。
歳を重ねて、大切なものを見落としてしまうなんて」
透明「どうでしょう 座敷童子と会ってみませんか」
時雨「えっ そ、そんなこと出来るんですか」
透明「確実では無いですが、もしかしたら出来るかもしれませんよ」
時雨「お、お願いします」
透明「それじゃあ、そこの柱に手を付いて目をつむって
おいてください」
この部屋で一番太い柱に手をおいた時雨さんは緊張した
面持ちで目をつむる・・・。
私も、それに続き柱に手をおき、呪を唱え始めた
時雨「・・・・・・」
しばらく時間が過ぎ、私の呪の詠唱が終わる頃
時雨「うぅぅぅぅっ・・・」
時雨さんは、懐かしさのあまり涙をみせていた・・・。
人は年齢を重ねるごとに、肉眼では
確認しにくいものが増えてしまう、
それでも自分の心の目では捉えられるものもある
きっと、時雨さんは目をつむった世界で、
夢の中の出来事のように座敷童子と再会出来ただろう
しかし、その夢はすぐに消えてしまう儚いもの・・・。
本当は、ゆっくり昔話をさせてあげたいのだが
そこまでの持続が出来ないことが歯がゆい・・・
少しの間をおき、時雨さんが口を開く
時雨「先生・・・本当に、ありがとうございました
何だか、心が洗われたようでした
家業を引き継いでから、私は必死に生きてきましたが、
本当に苦しい日々でした
少しでも、子供の頃のような気持ちに戻れたこと、
これ以上の幸せはないです」
透明「座敷童子は、何か言っていましたか」
時雨「はい でもそれは、二人だけの秘密です」
少女のような屈託のない笑みで笑顔をみせた時雨さんは、
何だか若返ったようにも見えた
透明「それじゃあ、もう少し話をさせてくださいね」
鑑定ファイル34 ファイナル
次回、決着です
続く・・・。
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コメント
座敷童子は付喪神なんですか♪
予想通り優しい心の持ち主だと分かって安心しました♪
ええ話や~{ごめんなさい}
↑まだ終わってないって。
時雨さんは童子さまと子供の頃会っていたんですね~。
何だか(残業中の疲れた心が)じわ~んとなりました。
ファイナルが楽しみです{ガッテン}
先生はやっぱりすごいですね(≧∇≦)時雨さんよかったですね!(^∇^)次回が楽しみです!
大きな柱
大黒柱かな
ばーちゃん家は{CARR_EMO_57}わらぶき屋根の家だったので大黒柱ありましたよ-
柱に何か宿るのかな
木のぬくもりは安心する
家業を継がれた時雨さん、本当に苦しい日々・・・、
座敷童子はそれをずっと見ていたのでしょうね・・・、
時雨さんのことも心配していたのかな・・・。
二人がまた出会えて良かったです。
先生はすごいですね~あらためて思いました!
どうなるのでしょう、この先・・・ファイナルが気になるぅ~。
てんちゃん
やっぱり 大事にしないといけない事や物って 沢山あるのよね~。
なんか 少しだけど…わかる気がします。
次回決着うP楽しみにしています{CARR_EMO_38}
先生・・・人は年齢を重ねるごとに、肉眼では
確認しにくいものが増えてしまう、
それでも自分の心の目では捉えられるものもある・・・
本当にそのとおりだと思います。
なんだか あたたかい気持ちになれましたよ(*^_^*)
{さくら}<色:#ff00ff>透明せんせ色>{さくら}
やばいです・・(泣)
自分が時雨さんの立場やったら・・
って考えると泣きじゃくりそう・・・・・(´;ω;`)
「気づかなくてごめんねぇ・・」「有難う・・」
それしか言えないかも(´;ω;`)
何を言ってあげたらいいのかわからんけど、
時雨さんの涙が止まるまで手をぎゅっと握っていてあげたい・・。
そうだね。
家業を任されて、この旅館を守る為に気を張って、頑張って。
そら、ついつい厳しくなってしまうよね^^うんうん。
でも、今回童子さまに会えた事で初心に戻る。じゃないけど、
いっぱいいっぱいやった心に良い意味で隙間が出来たようでよかった・・{スマイル}
童子さまは”童子さま”やねんけど、
何か・・昔からの幼馴染のようであり、姉妹のようであり、
親友であったりって感じがとっても素敵でした・・{キラピンク}
「<太><色:#ff9933>二人だけの秘密色>太>{ルンルン}」
フフ{スマイル}
可愛い{スマイル}
時雨さんにあったかい「<色:#ff9933>宝物色>」が出来たようでよかった・・{ふたば}
{ルンルン}ぬこ{ルンルン}
話できてよかったあ。{ごめんなさい}
座敷童って、いるんですね。会ってみたい。
心が綺麗だと会えるのかなあ。
座敷行くの怖かったけど、今度、おばあちゃんのところに行って、そうじしてみよっっと。