ブレイク ストーリー・8
透明「雅治くん そこに立ってみて」
雅治「こうですか」
雅治くんは私の前に仁王立ちする
私は雅治くんの肩に手を置く
透明「そのまま、体の動きだけで
この手を引き離してごらん」
雅治「は、はい」
雅治くんは、私の手を引き離そうと
一生懸命体を動かしはじめた
雅治「 な、なんで」
私の手は雅治くんから離れない
もちろん私は手を置くだけで力も入れていない
しばらくして・・・。
雅治「はぁはぁはぁはぁ・・・もうダメ」
透明「くすっ お疲れさま どうだった」
雅治「どうって・・・はぁはぁ・・・先生
・・・はぁはぁ・・・何をしたんですか」
透明「くすくす これが聴剄 相手の動きを読み
相手の動きを操る技法だよ」
雅治「す、すごい」
透明「ここまでになるには、時間がかかるけど、
技法を応用すれば、相手の心の動きくらいなら
簡単に読めるよ」
雅治「お、お願いします 僕に教えてください」
透明「お~し それじゃあ、雅治くん
先生の背中に手を当ててごらん」
雅治「は、はい」
透明「そのまま目をつむって・・・。」
雅治「・・・・・・・・。」
透明「・・・・・・・・。」
雅治「・・・・・・・・。」
透明「今、手から何が感じられる」
雅治「え、え~と・・・鼓動ですか」
透明「うん それから」
雅治「・・・・・先生の呼吸の音」
透明「うん それじゃあ、先生と呼吸を合わせて
先生と同じ呼吸をしてごらん」
雅治「・・・・・す~っ・・・は~っ・・・」
透明「・・・・す~っ・・・は~っ・・・・」
雅治「・・・・す~っ・・は~っ・・・・・」
透明「・・・・す~っ・・・は~っ・・・・」
雅治「・・・・す~っ・・・は~っ・・・・」
透明「・・・・す~っ・・・はっ」
雅治「・・・・す~っ・・・は げほげほっ」
透明「あははっ ごめんごめん」
雅治「び、びっくりした~ けほっ
先生いきなり息止めるんだもん」
透明「でも、ちゃんと出来たじゃない」
雅治「えっ」
透明「相手の呼吸にあわせる これぞ聴剄の極意のひとつだよ
本来は、筋肉の動きや気の流れも読み取るものなんだけど、
今回はそこまではしなくていい」
雅治「」
透明「動物は、必ず呼吸をして生きているでしょ
この呼吸は、感情と直結しているものなんだ
例えば、今みたいに呼吸を止めるときは、
力を入れるときに起こる現象
逆にリラックスしているときは、呼吸が深く長い」
雅治「なるほど~」
透明「相手に触れなくても、呼吸の速さやテンポは、
相手の胸を見ていればわかる
その呼吸の状態で、相手の心理は大分わかるものだよ」
雅治「ふんふん ちょっと、メモとります」
透明「試合する前に、相手の呼吸をしっかり読み取る
相手の呼吸が速く短いものなら、相手は君と同じで
緊張をしている
逆に、呼吸が長く深い相手なら、ちょっと要注意
緊張はしていない状態だから、相手をナメているか
自信がある現れだからね
もう一つ、相手が息巻いていてちょっと気負いがある
場合は、口よりも鼻から呼吸をしようとするから
鼻息の荒さでわかるよね
こういう人は、自分からミスを犯しやすいから、
上手く攪乱してあげると自滅することが多いかな
どちらにせよ、試合中も呼吸に意識をおいておけば、
相手の出方もわかるようになる」
雅治「おお~~~っ」
透明「それとね
これは、闘いとは直接関係は無いかもしれないけど、
この呼吸を読むには、相手の呼吸と合わせることが
一番相手を理解出来ることでもあるんだ
人に触れ、人と共に生きて行く為には、
相手の呼吸やテンポを理解することが相手への
共感につながる近道でもある
呼吸が合えば自ずと相手の気持ちにも立てるしね
これは、自分自身で学んでゆくことだから、
少し呼吸の意味を見直してみるのも悪く無いかもよ
まあ、そう言うこともひとつ学びとして覚えておくと
良いかもね」
雅治「はい」
透明「でも、今回の試合は、あくまでも君自身が強くなるための
練習だよ 強くなるための一歩である聴剄を肌で
感じてきてごらん これは、相手と闘うのではなく
自分と闘うことと等しいことだよ」
雅治「は、はい・・・・・・先生」
透明「んっ」
雅治「先生にさっき、棄権する方法教えてもらったけど、
自分のためにも少し頑張ってみてもいいですか」
透明「うん わかった その代わり、もし自分で
もうダメだって思ったら、さっきの棄権方法も
あるから、自分の想うままにやってごらん」
雅治「はい やっぱり先生に会いに来てよかった
先生 ありがとうございました」
私は、彼を駅まで送ると、一目散に仕事に戻った
さて 今日は雅治くんも呼吸の勉強で忙しくなるな~
私も一踏ん張りしますか
いよいよ ファイナル
次回は、
皆さんと共に試合会場に行こうと思います
続く・・・。
ポチしてくれると励みになります
コメント
先生の話にはいつも納得させられます(^.^)試合楽しみですね!
ぉ{CARR_EMO_108}
それは、ネガティブマンの記事で教わった、相手が溜め息をした時に自分は鼻から息を吐き出すヤツの反対バージョンみたいな感じですね
自分も武道続けてれば良かったニャ-
ま、あん時大変だったし(笑)
雅治くん先生から大切なことたくさん教わり良かったですね
今回の日記は私にとっても、シンクロですo(^-^)o
先日 知り合いに、「呼吸とテンポを合わせて相手をみること。。それが相手を理解するにつながるから実行してみたら と言われたばかりなんです
すごいシンクロだあ
先生のブログは為になりますo(≧∀≦)o
いつもありがとう
うまく言えないけど、深い話ですね。
生きていることと呼吸って直結してて、その呼吸には色んなヒントが隠されている。
呼吸ってほんとに精神状態を現しますもんね。
中学の時に授業中に一分間で何回呼してるかをみんなで調べるというのがありました。
私だけ老人並みに呼吸が少なくて先生にオバアチャンだな!て笑われたことを思い出しました(^_^;)。
眠れない夜、子供の頭の匂いを嗅ぎながら寝息をあわせるとスッと眠りに入れるんですが、最高に至福な時間です。
一緒に行った気持ちになって 応援しますよ
雅治くん(*^。^* )
呼吸が合えば自ずと相手の気持ちにも立てる・・・・・
頑張ってみます
先生のブログは 前向きになれます
励みに頑張ります{ルンルン}
なんだかとってもワクワクしてきました。
雅治君 がんばって~♪
てんちゃん
今日はちょっとお邪魔するの出遅れてしまって…、今、夫との戦いにちょっと敗れた感あり…朝からブログ読みに来ればよかったぁ 呼吸法ね~ちょっといつもより夫落ち着いてたみたい、やっぱり 焦ると頭まわらないもの…あーぁ!
気の流れ{びっくり}{わお}
だんだん透明先生が悟空に見えてきた{さる}
呼吸{CARR_EMO_114}
わかりました{CARR_EMO_515}
ほんとに知らず知らずのうちに、相手とシンクロしてるんですね{CARR_EMO_336}人って{CARR_EMO_397}
ネガティブのときは、相手と逆の呼吸で、相手を理解するときは合わせて…{CARR_EMO_536}
気の合う仲間って言葉が
何気に使ってましたけど、なんか前より意味がわかって自分の中で意味が深くなった気がします{CARR_EMO_330}(笑)
呼吸気にしてなかったけど、気持ちが落ち着く、無になるのも、呼吸ですね。
頭で、いろいろ考えるから、なかなか、無になれないですが、呼吸の方法教えて欲しいなあ。寝る前とか、やって見たら、ぐっすり寝れるとか。
これからの、ブログで、また、答えが見つかるかも。
先生ありがとうございました。今日も、勉強になりました。