鑑定ファイル3-4

鑑定ファイル3/愛子さん4

ゆっくりとでもハッキリと私は愛子さんに話し掛けていく。

透明「彼は、今頭の中の腫瘍に悩まされてて、

    その腫瘍をほおっておくと、

    確実にに近づく事になります

    医者からも、すぐに手術をしなければ助からないと

    言われてるみたいだね・・・。」

突然の予想外の報告は、家族をなくしてきた愛子さんにとって、

どれほどのダメージを残すのか

私には、想像出来ないが、それでもダメージを残さないように

慎重に言葉を進める。

透明「彼も悩み抜いたんだと思う。

    手術をして成功する確率は、50%

    成功しても障害が残る確率が70%

    これが医者に言われている事実です。」

現実をハッキリと伝え、愛子さんが何を思うのか

想像に耐えなかったが、愛子さんは、しっかりと現実を直視し、

もうを拭っていた。

愛子「情けないですね私・・・。

    彼が苦しんでいたのに気がつかないなんて・・・。

    でも、どうして言ってくれなかったんでしょう

透明「彼はね、もし手術が成功しなかった時、

    愛子さんが家族を亡くす思いをまたしなくてはならない事を

    よしとは出来なかったんだよ。

    手術が成功しても、障害が残ってしまったら、

    愛子さんは苦労を背負い込む事を理解していたんだと思う。

    彼は彼なりに愛子さんの幸せを考えたんだよ。」

そう告げて、私は告げた事が愛子さんにとって、幸せだったのか

自分にも問いかけていた。

愛子「それでも、私は相談して欲しかった・・・。」

透明「彼も愛子さんも本当に相手が大切なだけだよ、

    きっと優しいすれ違いだったんだね。」

愛子「先生、彼は助かりますか

透明「・・・。」

私は、少しためらった。

透明「・・・。助かる方法はあるよ。」

愛子「本当ですかどうしたら

透明「その前に、確認していい?

愛子「はい。」

透明「彼を助ける事が愛子さんのエゴになっても助けたい

愛子「・・・。」

透明「正直に言うね

    もし彼が助かっても障害は残る道しか彼にはないんだ。

    障害を抱えるのは、彼で愛子さんじゃない、

    もちろん先生も彼には生きていて欲しいけど、

    それを決めるのは、彼じゃなくてはならない

    彼が生きる道を選んでも二人の覚悟は生半可じゃならないし、

    二人にとってその道が本当に幸せか

    これは先生には、分らないんだ・・・・。

    それでも真剣に二人が考えて、覚悟を決められるなら、

    先生も全力で協力するよ。」

色々な感情が入り乱れながら、時間がゆっくりと流れて行く、

しばらくして、愛子さんから言葉が流れ出る。

愛子「・・・・・・。わかりました・・・。

    彼と相談して来ます

    その時は、どうか宜しくお願いします。」

私は少し微笑み、後押しをした。

透明「まずは、彼の説得

    今、実家に居ると思うから、行っておいで。」

愛子さんは、大きくエシャクすると彼のもとえ、歩み出した。

そして後日・・・。

答えと共に彼女は、戻ってくる。  

                        続く・・・

コメント

  1. 大原っこ より:

     愛子さんはどんな木人図を描いてきたのかな?いっぱいの枝をのばし修行の道をえらんだのかな。でも幹にもどれる道しるべを描いていたので透明先生とであえたのかな~{スマイル} 

  2. ピンクのヒマラヤ より:

    {レース黒上}{天使}{レース黒下}読んだよ

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