体話・5
透明「(利香ちゃん先ずは、君がどうしたいか
それが一番大切だと想うよ)」
落ち着いた呼吸で、彼女を見つめ
ゆっくりと首を縦に振る・・・。
利香「(私は、彼に苦しい想いをして欲しくない・・・
もし、私が彼にとって重荷になっても、
彼は、そのことを私に伝えてくれるでしょうか
もし、私が嫌になって、彼が私のことを
可哀想と想って別れられなかったら・・・。
私は・・・)」
彼女の苦悩が手を取るようにわかる・・・。
呼吸、仕草、目の動き、全てに迷いが生じている
普通なら、楽しい悩みとなりえる恋愛も、
彼女の中では、切実な現実との葛藤になってしまう
私は、彼女に向けて大きく手を振る
それに続けて、首をゆっくりと横へ振った
透明「(それは、違うよ)」
利香「」
透明「(それを決めるのは、利香ちゃんじゃない
彼を好きなら、彼をそこまで無責任な人に
してはいけないよ)」
呼吸をワザと荒立て、強い目で利香ちゃんを見る
視線を遠くへ置き、目をつむり少し悲しい表情で
自分の胸の位置で服をわし掴む
透明「(さっき、彼のこと視せてもらったけど、
彼は、しっかり君のことを考えてくれている
彼とは、幼馴染みなんだよね
だからこそ、利香ちゃんの苦悩も、痛みも
知っている
中途半端な想いで告白したりはしてない
はずだよ)」
私は、利香ちゃんの後ろへ一瞬だけ視線をやり、
ニッコリと笑いかけながら、手を胸の位置におき、
逆の手で、利香ちゃんを指さし、視線を落としながら
その手で自分の胸を親指で指さす
利香「(・・・私・・・)」
利香ちゃんは、彼の想いに気づいてくれたようだ
彼の想いを感じながら、嬉しさと切なさが入り乱れた
感情に戸惑っているようにも見える・・・。
初めて感じる感覚に恥じらう利香ちゃんを見て、
私も何だか恥ずかしい感覚にとらわれる・・・。
これでやっと、スタートライン
利香ちゃんは、隔たりを越え、自分の気持ちに
正直になってくれた
後は、前に進ませてあげなくっちゃ
続く・・・。
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コメント
ドキドキ…(`д`;)